「そうじゃないかも?」と問い直す力
セッションの最中、
お客様の言葉を聞いた瞬間、
頭の中でパッと“答え”や“原因”が浮かぶことがあります。
「また同じ話をしてるな」
「人のせいにしてるな」
「前と同じループだな」
そんなふうに咄嗟に解釈してしまうこと。
それは決して悪いことではありません。
なぜなら、長く人を見てきた占い師だからこそ、
経験的に“見えてしまう”瞬間があるからです。
けれど、ここで一歩立ち止まってほしいのです。
咄嗟の解釈を疑ってみる
その瞬間に心の中で、
「そうじゃないかも?」と問い直してみる。
ただそれだけで、セッションの質が大きく変わります。
あなたが最初に感じた解釈は、
これまでの経験・価値観・信念・癖の積み重ねから出てきた“自動反応”です。
つまり、それは必ずしも「真実」ではなく、
あなたの心の中にある“見え方”のパターンなのです。
だからこそ、その解釈を一度疑ってみる。
「私はいま、この人をどう見ているんだろう?」
「この見方しかないと、決めつけていないだろうか?」
この問いが生まれた瞬間、
意識の枠がふっと広がります。
解釈をB→Zに巡らせるとは
「B→Zに巡らせる」とは、
単に“ポジティブに考え直す”ことではありません。
最初に浮かんだA→Bという思考(たとえば「また同じ内容だ」)を、
一度手放して、他の可能性を探ることです。
「もしかして、私が“また同じ”と感じるのは、
私自身が“変化を求めすぎている”からかもしれない」
「もしかして、この人のペースを“遅い”と感じるのは、
私の中に“早く結果を出させなきゃ”という焦りがあるからかもしれない」
——そうやって、自分の中の解釈の構造を見直していく。
これこそが、B→Zに巡らせるということ。
お客様の話を変えるのではなく、
自分の見方のレイヤーを一段深く見る行為です。
解釈が変わると、空気が変わる
「そうじゃないかも」と思った瞬間、
セッションの空気がやわらぎます。
なぜなら、あなたの中の“決めつけ”が緩むからです。
その緩みが、お客様の心にも伝わる。
人は、見られ方を敏感に感じ取る存在です。
あなたが相手を「こういう人」と決めて見ていれば、
相手もまた「そういう自分」として話をします。
でも、あなたが「そうじゃないかも?」と感じた瞬間、
相手の中にも「もしかして、私も違うかも」が生まれるのです。
B→Zに巡らせるとは、
お客様を変えるための技法ではなく、
あなたの意識の柔軟さを取り戻す動きです。
その柔軟さの中に、
セッションを癒しに変える力がある。
あなたが“解釈を変える”のではなく、
“解釈にとらわれない”状態になること——
それが、癒しの本質なのです。
ゆるみ」で向き合うと、癒しが循環する
セッション中に、お客様が涙ぐむ瞬間があります。
そのときあなたは、特別な言葉をかけたわけでもないのに、
ふっと空気が変わったことを感じたことはありませんか?
それは、「ゆるみ」が生まれた瞬間です。
占い師の心が頑ななとき、
お客様もまた、どこかで身構えています。
「正しく話さなきゃ」「いい結果を引き出さなきゃ」
そんな空気が、セッションを窮屈にしてしまう。
けれど、占い師の側がふと力を抜いたとき——
「まあ、いいか」「今日はただ聴いてみよう」
その“ゆるみ”が場全体を変えます。
ゆるんだ人の前では、人は安心して本音を話せる。
安心して本音を話せたとき、人は初めて癒されていく。
だから、癒しのはじまりは、あなたの「ゆるみ」から。
ゆるみは、無力ではない
ゆるむと聞くと、
「手を抜くこと」「流されること」と誤解されがちですが、
実際はその逆です。
“ゆるんだ意識”は、相手の奥に深く届く。
なぜなら、抵抗がないからです。
頑なな人の前では、心は閉じます。
でも、ゆるんだ人の前では、心は自然に開きます。
お客様が「なぜかこの人に話すと楽になる」と感じるとき、
そこにはあなたの“ゆるみ”がある。
言葉よりも早く、エネルギーの層で伝わっているのです。
癒しが循環するセッションへ
ゆるみを持って相対すると、
お客様は「受け入れられた」という感覚を得ます。
すると、心の緊張がほどけ、
そこから自発的な気づきが生まれていく。
セッションの本当の価値は、
「あなたが変えてあげる」ことではなく、
「お客様が自分で変わっていける空間をつくる」ことにあります。
この空間づくりの源が、占い師自身のゆるみなのです。
やがてそれは、
「癒された人が、またあなたに会いたくなる」
という循環を生みます。
人は、安心できる場所へと自然に戻ってくる。
だからこそ、リピートは“技術”ではなく“波動”の結果です。
そしてその波動は、
「もっと癒そう」と頑張るときではなく、
「私もここにいていい」とゆるんだ瞬間に、最も美しく広がっていきます。

